医薬品大手ファイザーが今月1日から、100種類を超える製品の国内販売価格を引き上げており、中には20%の値上げもあることが国際情報サービス会社ヴォルターズ・クルーワー(Wolters Kluwer、オランダ)の集計で分かった。
ロイター通信によると、ファイザーは一部製品の値上げを認めており、2014年に米売上高が23億ドルに達した鎮痛剤「リリカ(Lyrica)」を9.4%、11億ドルを売り上げた性的機能障害治療薬「バイアグラ(Viagra)」を12.9%、15年に月9580ドル(年間11万8200ドル)で発売した新しい抗がん剤「アイブランス(Ibrance)」を5%値上げした。このほかは不明。
ヴォルターズの集計結果はUBS証券の報告書で公表され、価格が20%上昇したのは抗てんかん剤「ディランティン(Dilantin)」、女性ホルモン補充剤「メネスト(Menest)」、狭心症薬「ニトロスタット(Nitrostat)」、不整脈治療薬「タイコシン(Tykosyn)」、抗生物質「タイガシル(Tygacil)」で、値上げした薬の数は計105品に上り、値下げはない。
値上げしているのはファイザーだけでない。市場調査トゥルベリス(Truveris、ニューヨーク州)によると、米処方薬価格は14年に10.9%上昇し、このうちブランド薬は15%上昇している。
一方でファイザーは、法人税額の削減を目的にアイルランドのアラガンと1600億ドルの合併計画を進めている。合併後は世界最大の製薬会社となり、本社はアイルランドに移す予定で、実現すれば米企業が節税のために海外に本社を移す最大規模の事例となる。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ