エネルギー技術業界内の境界線があいまいに 〜 見本市で浮かび上がる新潮流

 公益会社やスマート・グリッド業界の見本市「ディストリビューテック(DistribuTECH)」は、スマート建物やマイクログリッドの技術にとって重要な展示会となりつつある。

 エネルギー設備を持つ電力顧客と公益会社のあいだの境界線が薄れつつあることから、それらの業界企業が同じ見本市で製品や技術を披露するようになるのは、理にかなった流れだ。技術企業と、技術企業の顧客である自動車メーカーがCES(消費者電子製品見本市)にそろって出展するのと似た現象と言える。

 グリーンテック・メディアによると、フロリダ州オーランドで2月9日〜11日に開かれている2016年のディストリビューテックでは、エネルギー管理技術会社のブルー・ピラー(Blue Pillar、インディアナ州インディアナポリス拠点)が、独自の技術プラットフォーム「オーロラ(Aurora)」をエネルギー・サービス会社や送電網運営会社に提供すると発表したことで関心を集めている。

 同社は、病院や軍事基地、商業施設、産業施設で使われる予備発電機やそのほかのエネルギー源の管理を自動化する技術を開発している。

 オーロラは、「DNP 3.0」や「OpenADR 2.0a」「ICCP」といった通常の公益事業プロトコールを統合し、また、「OPC UA」や「Modbus」「SNMP」「LONWorkds」「BACnet」をはじめとする建物向けプロトコールにも対応する。

 ブルー・ピラーは、ビハインド・ザ・メーターのシステムを公益会社の制御システムに接続する通信網を簡単にするフレームワークも近く発表する予定だ。

 エネルギー業界大手のNRGエネルギーは、ブルー・ピラーのシステムをさまざまの商業および産業顧客の現場に導入しつつある。

 ブルー・ピラーは、競合社のエンバラ(Enbala)やヴィリディティー(Viridity)、イノヴァリ(Innovari)、パワーリット・ソリューションズ(Powerit Solutions)らと並んで、ビハインド・ザ・メーターのシステムを大規模に接続する公益業界の提携先を開拓しようとしている。

 それらの企業は、エナーNOC(EnerNOC)やコムヴァージ(Comverge)といった需要反応サービスの提供会社、およびハネウェルやシュナイダー・エレクトリック、シーメンス、ジョンソン・コントロールズといったエネルギー・サービス大手と競合することもあれば提携することもある。

 建物管理技術の企業が公益サービス分野に分け入る一方、反対の流れも生じている。

 公益会社や送電網分野の大手企業が、建物管理技術へと進出する流れだ。

 たとえば、シーメンスは、大学キャンパスや行政施設、商業および産業施設向けのサービスとしてのマイクログリッド製品をディストリビューテックに出展している。

 「公益会社が使っているのと同様に高性能のプラットフォームだ」と、シーメンス・デジタル・グリッドのマイク・カールソン社長は説明している。同プラットフォームは、同社が2015年に導入したマイクログリッド・サービスの規模をやや小さくした新版で、クラウドでホストするため、自前のIT基幹設備を持たない顧客でも導入できる。

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