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仕掛け人に聞く
日本の食ニューウェーブ
- 2016年11月1日
- 2016年11月号掲載
うどん
カジュアルで美味しい日本食もある
日本の麺類ですでにアメリカでブレイクを果たしているのは、ラーメン。そして今じわじわと西海岸から市場を攻めつつあるのが、うどんである。
そして2013年、アメリカに上陸したのが鶴丸饂飩(うどん)本舗。日本ではリトルトーキョーのショッピングモール内に開店すると、日本から来た新しいスタイルのファストフードとして瞬く間に人気を博し、非アジア系の顧客にも親しまれるようになった。開店当初は比較的うどんに馴染みがあるアジア系顧客が7割だったのが、そのバランスは現在ではアジア系と非アジア系で拮抗している。
リトルトーキョーという「日本食を求めてくる人々」が多いロケーションで勝負した1号店に続いて、鶴丸饂飩本舗が2号店に選んだ立地は、ロサンゼルスのダウンタウンから東に車で30分ほどのサンゲーブリエルバレーにあるサンタアニータだった。この周辺は中国系の人口が密集するエリア。アメリカで鶴丸饂飩本舗を運営するHIC U.S.A.Inc.(ヒガシマルインターナショナルの米国法人)のジェネラルマネジャーの本多麻緒さんは次のように語る。
「2号店の立地については数カ所の候補を絞ってリサーチを続けました。そのリサーチの中で、サンゲーブリエルバレーからリトルトーキョーまで当店のうどんを食べに通ってくる方が多いということもわかりました。そこで、2年前に626ナイトマーケット(サンタアニータパークで週末に開催されるフードマーケット)に出店してみたところ、手応えを感じることができました。そこでご購入いただいたお客様のほぼ半数がリトルトーキョーまで行って食べた、と実際におっしゃったこともあり、ではここで(物件を)探そうということになったのです」
そしてちょうどいいタイミングで、サンタアニータのショッピングモール内の新規開設のフードアレー(食の横丁)で、テナントを探しているという話が飛び込んできた。
2号店はカウンター形式のカジュアルなスタイルで、忙しい時間帯でもすっと入ってきて注文して、すぐに食べられるのが魅力。リトルトーキョーはうどん中心のメニューだが、こちらでは天丼などの丼にも力を入れていく。「うどん中心ですが、他の日本食の紹介もしていきたい」と、地域柄、あまり日本食レストランがないことから、メニューにもバリエーションを加えた。
米国市場におけるうどんの可能性について聞いた。「寿司や鉄板焼きなど、当初、アメリカでイメージされる日本食は敷居が高いものでした。しかし、今や、10ドルから15ドルほどのラーメンも愛されるようになりました。カジュアルで美味しい日本食もあるということに、アメリカの消費者の方も気づき始めています。そしてますます日本食を食べる層が広がっていると実感しています。毎日でもお財布を気にせずに食べられる日本食があるんだ、ということを、うどんや丼といった庶民的なメニューを通じて、もっと多くの方々に知っていただきたいですね。うどんが市場に参入する予定はまだまだあると思います」
最後に今後の展開については「まだ日本食レストランとしての競争が激しくなく、日本食を愛してくださる方々が多い地域をリサーチして次々に出店したいと考えています」と本多さんは抱負を語った。
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