塗料サプライヤー、3社が市場独占

 自動車用塗料の世界市場が大手サプライヤー3社の独占場状態となっている。

 オートモーティブ・ニュースによると、塗装は工程が複雑でコストが高いため、新規参入の壁はかなり高い。

 100億ドルを超える市場はPPGインダストリーズ、独BASF、旧デュポンのアクサルタ・コーティング・システムズ(Axalta Coating Systems)が握っている。

 塗料のコストは車両全体の3〜4%を占めるに過ぎないが、塗装ショップのコストは4億ドルを超える。ディッピングからスプレー、ベーキングまで一連の作業には大量のエネルギーや水、床面積が必要になる。

 加えて、自動車メーカーは耐久性を伴い、効率性を極めながら環境への影響を抑制した流行色を継続的に求めている。

 3社以外にも、日本ペイントと関西ペイントは世界で事業を展開しているが、アジアが主戦場になっている。このほか、独ヘメルラス・コーティングス(Hemmelrath Coatings)も複数の北米地域で活動している。

 メーカー側も寡占市場を受け入れている。グローバル・プラットフォームの促進や開発周期の短縮化、生産拠点の分散で、塗料サプライヤー大手に対するニーズは拡大の一途をたどっている。

 北米BASFの塗装事業を統括するクリストファー・トーミー氏は、3社の牙城が短期的には、崩されることはないと言い切る。

 しかし、3社が牙城に安住していられない状況であるのも事実だ。例えば、メーカーは車両のプラットフォームではなく生産工場単位で塗料サプライヤーに発注する。

 PPG塗装部門のティム・ナビッシュ上級副社長も、「車の寿命を通じて契約を交わしている訳ではない」と述べた。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 日本では、何においても横並びが良しとされる。小学校への進学時の年齢は決まっているし、学校を...
  2. Water lily 今年は年頭から気にかかっている心配事があった。私は小心なうえに、何事も...
  3. 峡谷に位置するヴァウリアル滝の、春から夏にかけて豪快に水が流れ落ちる美しい光景は必見。島には約16...
  4. 2024年6月3日

    生成AI活用術
    2024年、生成AIのトレンドは? 2017年に発表された「Transformer」...
  5. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  6. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  7. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  8. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
ページ上部へ戻る