医薬品大手ジョンソン&ジョンソン(J&J)傘下デピュー・オーソピーディックス(DePuy Orthopaedics)の人工股関節「ピナクル(Pinnacle)」を使用して負傷した患者が両社を訴えていた裁判で、テキサス州ダラスの連邦陪審はこのほど、両社に合わせて10億4100万ドルの損害賠償支払いを命じる評決を下した。
ロイター通信によると、カリフォルニア州に住む6人の原告は、セラミックやプラスチック素材の人工股関節より長持ちすると会社側が宣伝していた金属製の製品を選択して股関節の置換術を受けたが、それによって細胞の壊死や骨侵食などの損傷を負ったと主張していた。
陪審は、ピナクルの設計には欠陥があり、被告はその危険性を認識していたにもかかわらず消費者への警告を怠ったと判断。賠償金のうち3200万ドルは補償的損害賠償で、残りは懲罰的損害賠償と算定した。
J&Jは裁判の前段階に原告側が提示した180万ドルの和解案を拒否しており、評決が下された1日ただちに控訴した。両社はピナクルをめぐって約8400件の訴訟に直面しており、これらはテキサスの連邦裁判所に集約されている。デピューは、連邦食品医薬品局(FDA)が人工股関節に関する規制を強化したことを受け、2013年に金属製ピナクルの販売を停止している。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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