東芝の米原発子会社ウェスティングハウス・エレクトリック(WH)が米連邦破産法11条の適用申請を決め、手続きに入った。米国時間の29日にも適用される見通し。東芝の取締役会も日本時間の29日にそれを承認した。
ロイター通信は、WHの11条適用申請に関する米政府筋の話として、「潜在的な国家安全保障問題」と報じた。WHは米軍の原子力空母に原子炉を供給したことがある。
共同通信によると、東芝の2017年3月期連結決算の純損失額は、WHの11条適用申請を受けて、金融を除く日本の会社として過去最悪の1兆100億円の赤字になる見通し。そのため、負債が資産を上回る債務超過額は、6200億円にまで膨らむ異常事態となる。
東芝は、債務超過から早期に脱出するために、子会社の東芝メモリを競売にかけ、1兆〜1.5兆円と予想される売却益を損失の穴埋めに回す考え。東芝メモリは、東芝から分離されたフラッシュ・メモリー事業が独立して誕生した会社。
東芝のフラッシュ・メモリー事業は、モバイル端末向け市場では韓国サムスンに次ぐ大手。それが分社化した東芝メモリの評価額は1.5兆〜2兆円と試算される。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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