老後の日本帰国のための情報 「日本の在留資格について」

文&写真/蓑田透(Text and photo by Toru Minoda)

今回は米国に長期間居住していた日本人(市民権取得者を含む)が老後を日本で暮らすため日本へ帰国・移住する場合の在留資格取得手続きについて紹介します。

まず対象者を以下のタイプに分けます。

タイプA:日本国籍でグリーンカード保有している
タイプB:市民権取得者で日本国籍を離脱している
タイプC:市民権取得者で日本国籍を離脱していない

タイプAの人は現在も日本国籍ですから、日本へ入国する際の在留資格取得手続きは不要です。日本のパスポートを持ってそのまま入国します。

一方タイプB、Cの人は米国籍になりますので在留資格取得手続きが必要です。通常旅行や出張など短期(一般的に90日まで)の入国であれば在留資格は必要ありません。しかし老後を日本で暮らす場合はもちろん、仕事や親の介護のために90日以上日本に滞在する場合は、外国人として日本に滞在するための在留資格が必要です。

尚タイプCの人の中には在留資格を取得しなくてもそのまま日本に居住できたという方も実際いるようですが、きちんと在留資格を取得することをお勧めします。

日本の在留資格は従事する仕事や家族の状況に応じて30種類あります。老後の日本帰国となればリタイアしている事が多く、就労に関係する種類で申請するケースは少ないと思います。一般的には「日本人の配偶者等」という種類の在留資格で申請するケースが多いようです。この「配偶者等」というのは配偶者の他、両親等の家族も含むので、配偶者が米国籍でも親が日本人であればこの在留資格を取得できます。

次に在留資格の取得手続の方法ですが次の2つがあります。

1)事前手続きにより帰国(入国)時に取得

帰国前の米国居住中に日本にいる親族または専門業者に依頼し、日本の入国管理局で事前申請を行う方法です。申請時には日本での身元引受人を指定しなければならないので近しい親族がいないと申請は難しいかもしれません。申請後、在米日本領事館で査証を発給してもらえれば日本入国時にそのまま在留資格を取得できます。この事前手続きにかかる時間としては4~5カ月程度見ておく必要がありますが、余裕を見て6か月前から手続する事をお勧めします。

2)帰国(入国)後に取得

(前述の)在留資格を必要としない旅行など短期間(90日)の滞在目的で一旦日本へ入国し、その間に中・長期滞在のための在留資格へ変更手続を行う方法です。この方法では事前の準備を必要としないので帰国まで時間がない場合に有効です。ただし在留資格の変更手続きには1~2カ月ほどかかりますが、申請者によっては3カ月以上かかる場合があります。もし90日間で変更手続きが完了しなければ一旦米国へ戻らなければなりません。そしてその場合次回以降に改めて申請手続きを行う必要があります。

尚、ここで説明しました内容は在留資格に限定したものです。グリーンカードや市民権の放棄、米国への再入国、米国年金(Social Security)受給者の住所変更、帰化申請(日本国籍の再取得)等の手続きについては別途必要となります。一定期間経過後または定期的に米国に戻る場合はこれらの事柄も含めて日本への帰国計画を立てるようにしましょう。

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蓑田透 (Minoda Toru)

蓑田透 (Minoda Toru)

ライタープロフィール

ライフメイツ社会保険労務士事務所代表。早稲田大学卒業後IT業界に従事していたが、格差社会による低所得層の増加や高齢化社会における社会保障の必要性および国際化による海外在住者向け生活サポートの必要性を強く予感し、現事業を開業。米国をはじめとする海外在住の日本人の年金記録調査、相談、各種手続の代行サービスを多数手掛ける。またファイナンシャルプランナー(CFP・1級FP技能士)、米国税理士、宅建士として老後の日本帰国に向けた支援事業(在留資格、帰化申請、介護付き老人ホーム探し、ライフプラン作成、成年後見制度、不動産管理、就労・起業、税務、等の相談・代行)や、海外在住者の日本国内における各種代行、支援サービスを行う。

ホームページ:ライフメイツ(ライフメイツ社会保険労務士事務所)
 日本の年金・老後の帰国相談室
 コロナ対策助成金相談センター

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