ニューヨーク大学の研究チームは、機械学習のアルゴリズムを活用して真正品と偽造品を見分ける照合認識システムを開発した。チームを率いたラクシュミナラヤナン・サブラマニアン教授がこのほど、カナダのハリファックスで開かれた「KDD 2017」会議で発表した。
ギアーズ・オブ・ビズ誌によると、サブラマニアン教授は「システムの基本にある考えは、真正品の微細な特徴をとらえてその類似性を理解し、偽造品と比較することで区別すること」と説明した。照合認識システムは、同教授ほかニューヨーク大学の研究者らが設立した新興企業エントゥルピー(Entrupy)によって商業化され、ブランド品の真贋を見分ける装置が販売されている。
偽造品は、ほぼあらゆる業界で大きな問題となっている。世界で売られている商品の7%は偽造品だと推定する報告もある。
偽造品を見分ける手法にはほかにもあるが、製品を解体する必要があり、その過程で製品を壊す可能性がある。エントゥルピーの手法は、製品を壊すことなく真正品と偽造品を簡単に見分けられる。同社のシステムは、繊維や皮革、錠剤、電子製品、玩具、靴といったさまざまな素材の画像約300万枚をデータとして活用している。
サブラマニアン教授は「判断の精度は98%を超えている。携帯電話のカメラ機能を使って日用品の真贋を確認できる」と、話す。
エントゥルピーはこれまでに、投資家から260万ドルの資金を調達した。同社の装置によって真贋を確認した商品の総額は1400万ドルに上る。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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