ヒューストンを中心にテキサス州を直撃したハリケーン「ハーヴィー」の被災地復旧活動で無人機(ドローン)が重要な役割りを果たしている。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、連邦航空局(FAA)は当初、緊急対応に向かう政府のヘリコプターや有人機の安全を確保するために、ヒューストンの上空全体を飛行禁止区域に一時的に指定し、特別許可のないドローンの飛行を全面的に禁じたが、記録的な大雨が続き復旧ニーズが高まるのにともなって、個々のドローン活用ごとに認め始め、ハーヴィー襲来以降の6日間に40件以上の緊急ドローン使用を許可した。
それらの活用内容は、道路や線路の点検から水処理施設、石油精製所、電線の被害状況調査まで多岐にわたる。許可件数は先週金曜日までに70件を超え、日曜日には100件を超えた。
関係者によると、報道機関が飛ばした一部を除き、ドローン利用はすべて自治体と州政府機関、そして連邦機関によって占められた。連邦当局は通常、ドローン使用許可の判断に数日から数週間をかけるが、今回は数時間で認められた。
議会や業界団体は、緊急時にドローン飛行許可を例外的に迅速に出す指針を策定するようハーヴィー襲来前からFAAに要請していた。
また、今回はヒューストン周辺では少なくとも1社が、海岸線の被害状況を調べるすために、地上のドローン操縦士の目視範囲を超える空域でもドローンを飛ばすことが許可された。操縦士の目視範囲外での商業ドローン飛行は現行規制では禁じられている。
また、FAAは手続きの遅れを避けるために、同じ空域内でさまざまの活動のために異種ドローン(被害実態調査用、物資配達用など)を飛ばす包括的許可も下している。
業界団体のスモールUAV連合によると、「無人機は、食料や水、医薬品の配達支援面でも大きな可能性を持つ」と話しており、損害保険大手は、被害や保険金申請を迅速に見積もるためにもドローンを使っている。
ドローン関連業界団体では、今回のドローンの活躍が長期的にはドローン活用促進のきっかけになる可能性を期待している。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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