新型コロナウイルスと最前線で向き合う病院やスーパーマーケット、そのほかの現場で、ソフトウェアやハードウェアのロボット導入が加速している。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ダブリンのマーター・ミゼリコディア大学病院(700床)は、ウイルス感染検査結果を迅速に処理するために、ニューヨーク州拠点の事業プロセス自動化技術の一種であるRPA大手ユーアイパス(UiPath)が開発したソフトウェア・ロボット(自動化ソフトウェア)を導入し、過去3週間に1000件以上の検査を実施している。
ユーアイパスの自動化ソフトウェアを使うと、検査結果をわずか数分間で整理して配布できるため、担当者らは感染防止や管理対策を迅速に実行できる。以前であれば、検査結果を手作業で表に記入するか書き起こしていた。
一方、コネチカット州の高齢者施設メイプルウッド・シニアリビングは、テミUSA(Temi USA、ニューヨーク州拠点)が開発した自律走行型ロボットの導入を進めている。車輪付きの同ロボットは、高さが約3.5フィートで、コンピュータ・スクリーンを搭載し、三次元地図化(立体デジタル地図作成機能)や検知器、音声認識機能を使って人と交流する。
同ロボットは、動画チャット・アプリケーションを使って施設内の高齢者を親類や医師とつなぐほか、各部屋への小包み配達や部屋からの回収といった作業を自動化し、冗談を交えて対話することもできる。
そのほか、オンライン受注処理を自動化するマイクロ配送センター提供のテイクオフ・テクノロジーズ(Takeoff Technologies、マサチューセッツ州拠点)では、新型コロナウイルスの流行以降、米国内での設置依頼が2桁のペースで増えている、と報告した。同社が提供する典型的なマイクロ配送センターの広さは1万平方フィート。着手から4ヵ月以内に稼働を開始でき、1万5000点の異なる商品のオンライン受注処理に対応で きる。
同社のマイクロ配送センターでは、オンライン購入を受注すると複数のロボットが動き出し、棚から商品を集めて袋詰め作業場に運ぶ。同社のシステムは現在、米国内6ヵ所で導入されている。アルバートソンズやウェイクファーン・フード、ストップ&ショップといったグローサリー・チェーンの大手らが導入済みで、今後数ヵ月で導入会社が急増すると見込みだ。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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