35年には車の1割がEVに〜IEE白書

 2035年までに米国内を走る車の1割が電気自動車(EV)になるという予想を、エジソン財団の研究機関IEEが発表した。

 IEEが「地球の日」に公表した白書「Forecast of On-Road Electric Transportation in the U.S. (2010-2035)」によると、最も控えめな想定でも国内のEVの数は35年までに500万台を超え、バッテリー技術の進化の具合によっては3000万台に達する可能性もあるという。

 IEEのリサ・ウッド取締役は「電動輸送は経済的また環境的に理にかなっている。EVは、バッテリーの進化と車種の選択肢拡大によってこれまで以上に入手しやすくなっており、すでに約9万人の米国人がガソリン・ポンプと別れて電気プラグを使うようになっている。この数字は今後も確実に増える」と話している。

 コストや性能を含めたバッテリー技術が進歩するとして、中間的な想定では乗用車とトラックを合わせた電動の軽量自動車(LDV)は全体(2億6100万台)の約10%に相当する2500万台に増える見通しで、これに伴いEVの電力消費量は年間1120億キロワット時に増加。車から出る二酸化炭素(CO2)は10年比で4100万トン減少すると予想される。

 10年は、全米のエネルギー消費の29%を輸送業が占め、製造業に次いで2番目に大きなエネルギー消費分野だった。現在は輸送用燃料の約99%を化石燃料が占めているが、燃費が良くコスト効率の高い新しい電気輸送技術を導入する利点は大きく、さまざまな輸送部門で導入が広がっている。

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