公営プールの7割に大腸菌〜「シャワー励行を」とCDC
- 2013年5月29日
- アメリカ発ニュース
米国内のプールにはかなりの確率で大腸菌などの病原体が存在する可能性があるという調査報告書が発表された。
ロサンゼルス・タイムズによると、疾病対策センター(CDC)とジョージア州アトランタ周辺の自治体当局が昨年夏、同都市圏のプール161カ所(公営・民営含む)を対象に水質検査をしたところ、93カ所(58%)から大腸菌が検出された。大腸菌は人間や温血動物の腸内で活動する細菌で、当局者はプールの水に便が混じっていた証拠とみている。
大腸菌の検出率は、公営プールが70%と最も高く、他の遊戯施設を含むウォーター・パークでは66%、最も低い民営ジムのプールでも49%に上った。混入経路はいくつか考えられ、まず人の肛門の周りには1人当たり0.14グラムの大便が付着しているため、シャワーを浴びずにプールに入るとそれが流れ出す可能性がある。また、水中で排便する、または下痢を起こして漏らす人がいた可能性もある。特に下痢は、他の利用者への病原体の感染を考えると深刻な問題だと指摘された。
大腸菌以外では、95カ所(59%)のプールから緑膿菌が検出され、67カ所(42%)からは大腸菌と緑膿菌の両方が検出された。緑膿菌は自然環境に常に存在する菌の一種であるため、人間だけでなく、土、キックボード(ビート板)などのプール用品、注水前から水中にあったなど、さまざまな混入経路が考えられる。感染すると外耳炎や皮膚発疹などを引き起こす恐れがあるが、塩素消毒など適切な管理で対処できる。
病原性大腸菌O-157の検出例はなかった。
調査結果をそのまま全米に当てはめることはできないが、報告書は「親水施設に関連した病気は全米で増えているため、全米の施設で利用者が頻繁に便や病原体を水中に持ち込んでいる可能性がある」と指摘した。調査の実施期間中、州内でプールに関連した病気の集中発生はなかった。
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