英有名シェフがチポトレ訴える〜新しいラーメン店の構想めぐり
- 2013年6月11日
- アメリカ発ニュース
世界の高級レストランで働いてきた有名シェフが、別のシェフのアイデアを盗んだと誤解されるような事態に巻き込まれたとして、メキシコ料理チェーンの「チポトレ・メキシカン・グリル」とその設立者スティーブ・エルス氏を訴えた。
クリスチャン・サイエンス・モニターによると、訴えたシェフは英国人のカイル・コノートン氏。同氏は2010年、質の高いラーメンを提供するファストフード・レストランのチェーン展開というアイデアを思いつき、幾人かのレストラン経営者に打診したところ、エルス氏が独占契約に合意したため、チポトレと契約した。
しかし、チポトレはその3年前にラーメン店「モモフク・レストラン」(ニューヨーク市)の創設者デイビッド・チャン氏と同じような構想のラーメン・チェーンを作ろうとしたことがあり、コノートン氏はそれを知らされていなかった。チャン氏はこの計画を実行しなかったものの、チポトレにアイデアの使用は認めておらず、チポトレがコノートン氏と共同でラーメン・チェーンを始めればアイデア盗用で訴えるつもりだと伝えられている。
5月31日にニューヨーク州最高裁に提出した訴状で、コノートン氏は「エルス氏がチャン氏との過去のやり取りを開示しなかったのは重大な手抜かりであり、詐欺行為。チポトレがラーメン店構想を実行すれば、自身はモモフクの案を盗んだという非難から逃れられず、料理人としての評判が台無しになる」と主張している。
ここでいうラーメン店構想には、メニューの品、キッチン設計、店の内装、ラーメンのパッケージなどが含まれる。コノートン氏は「チポトレとの話し合いで得られた反応が、チポトレ自体から来た物なのかチャン氏の案の焼き直しなのか、今となっては分からない」と話している。
コノートン氏が12年10月にエルス氏とこの問題について話し合った時、エルス氏は何も否定せず、とにかくラーメン店構想を進めるよう命令したが、わざとコノートン氏をアイデア盗用問題に巻き込もうとしているかのように感じられたという。訴状によると、この話し合いがきっかけでコノートン氏は1カ月後に契約を解除された。
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