政府関係者、今年は来ないで〜ハッカー国際会議が要請

 世界最大規模のハッカー国際会議「デフ・コン(Def Con)」は、連邦政府に対し、8月にネバダ州ラスベガスで開かれる本年度大会に政府関係者が参加しないよう要請した。国家安全保障局(NSA)による個人情報監視活動が発覚したことで、政府に対する市民の不快感が広がっているためだという。

 クリスチャン・サイエンス・モニターによると、「ダーク・タンジェント」のハッカー名で知られるデフ・コン創設者のジェフ・モス氏は、政府にあてた書簡で「今年は連邦政府が『作戦休憩』を取り、参加しない方がすべての関係者にとって良いと考える」と述べた。

 デフ・コンは、世界中のハッカーをはじめセキュリティ関連企業や連邦政府関係者など、さまざまな個人、団体が参加する交流イベント。今年は8月1〜3日にラスベガスで開催され、約1万5000人の参加が見込まれている(入場料は1人180ドル)。

 デフ・コンに参加する連邦政府関係者は、すべてが身元を明かしているわけではないというのが常識になっており、他の参加者の間では誰が政府関係者か当てるゲーム(Spot the Fed)すら行われていた。ネットの自由を推進する団体エレクトロニック・フロンティア財団(EFF)の法務担当者は「電子セキュリティ関連の会議は、さまざまな異なる主張を持つコミュニティの橋渡しをしてきた。集団同士の交流は、そこに誠意がある限り良いことだ」と話す。

 しかし、デフ・コンの今回の動きは、ハッカーとセキュリティ当局との関係が大きく変化したことを示す。NSAのキース・アレグザンダー局長は昨年のデフ・コンで講演し、政府による電子情報の大量収集を「まったくのたわごと(absolute nonsense)」(ロイター通信)と呼んで否定していた。

 ただし同局長は、今年のデフ・コンの直前に同じラスベガスで開かれるセキュリティ会議「ブラック・ハット」には出席し、基調演説を行う予定。いずれの会議もジェフ・モス氏が始めたが、デフ・コンの方がコミュニティ色が濃く、ブラック・ハットは企業色が強い。

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