牛にビールを飲ませて育てる?
- 2018年10月10日
牛にビールを飲ませて育てる肥育法
初めてビールを肥料として牛に与え始めたのは『松坂牛』で有名な三重県の農家さんだったようです。(三重県の人たちはお酒が弱い人が多いため、人間の代わりにビールを牛に飲ませたのが始まりという説があるそう。)
人間はビールを飲むことで酔いがまわって食欲が増しますが、人間より体が10倍も大きい牛たちはそう簡単には酔いません。むしろ酔わせるためよりも、夏の時期や飼育期末期の食欲不振になった時や、消化不良を起こした際の消化促進のためにビールを与えているのです。牛には4つ胃袋がありますが、第1胃と呼ばれる胃袋は牛が食べたものを微生物の力で発酵させる働きをします。
大量に食べて時間をかけて反芻しながら消化していく牛たちにとって、この第1胃が悪くなると、栄養の吸収ができず牛とって有益な菌が充分に働かなくなるため、体調を崩してしまいます。そのためビールを与えることによってアルコールが胃の中の微生物によって分解され牛の栄養となるのです。牛たちにとって大切な肥料の一つであるビールが、牛たちの栄養となり霜降りの成分となっているのです。毎年厳しい審査によって等級が決定される日本において、松坂牛から始まったビールを飲ませる肥育法は、徐々に日本各地へも噂として広まり、現代まで受け継がれているようです。
肉を食べると良いことが多い!?
わたしたちの体をつくっている細胞や血液にとって必要不可欠な材料である油には、身体に良い油と悪い油があります。日々の生活の中で必要となる油だからこそ、質の良い油を摂取することが大事です。
一般的に牛の脂があまり身体に良くないイメージが定着しています。ところが、黒毛和牛には『オレイン酸』と『ステアリン酸』が含まれており、オレイン酸は血液をサラサラにしてくれる脂肪成分なので健康を害するどころか健康体になれます。『オレイン酸』は身体に良いとされるオリーブオイルの主要成分でもあります。そして、『ステアリン酸』はイワシなどの青魚に多く含まれており、血液をサラサラにしてくれることでも知られています。
そもそも、魚にくらべて肉の脂が身体に良くないと思われている理由の一つに、『ラード』があります。通常の動物性脂肪でもあるラードは多少温度が高くても溶けないため、過剰摂取すると、中性脂肪やコレステロールを増加させてしまい、高脂血症や動脈硬化などの症状を起こすことから、摂り方には注意が必要な脂と言われています。
ところが、黒毛和牛に含まれている脂肪成分の大部分を占めているオレイン酸とステアリン酸は、低い温度でも融解するという特徴があります。“黒毛和牛を口に入れた瞬間に溶ける”というのは、まさにこのオレイン酸とステアリン酸のおかげで、人間の体温の熱だけで溶けるほどのだから起こりえるのです!そして、オレイン酸はお肉を柔らかくするだけではなく、脂っこさがないので胃もたれすることがないというという嬉しい特典までついてきます!
だからこそ、お肉を食べる際には良質の黒毛和牛を選ぶと身体にとっても良いことづくめなのです!
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