中国、尖閣で強硬姿勢 米のアジア重視警戒

 【共同】ヘイゲル国防長官と中国の常万全国防相は19日、ワシントン近郊の国防総省で会談した。常国防相は会談後の共同記者会見で、沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中対立や、中国と東南アジア諸国による南シナ海の領有権争いを念頭に「領土主権、海洋権益を守る中国の意志と決意を過小評価するべきではない」と強硬姿勢を示した。

 両氏による国防相会談は今回が初めて。会見では常国防相が「中国が核心的利益を手放すとは誰も夢想しないだろう」などと強気の発言を繰り返し、中国軍として領土問題や海洋権益で一歩も引かない立場を強調した。

 ヘイゲル長官は北朝鮮や東シナ海、南シナ海の問題で「力の行使を伴わない平和的解決」を求めたと表明した。

 常国防相は、オバマ政権が掲げる米軍のアジア重視戦略「リバランス(バランス調整)」について「特定の国を標的にしないよう望む」と述べ、中国を意識した軍事シフトに警戒感を示した。同時に「中国は地域の平和と安定を守るため、米国と協力する用意がある」と連携を呼び掛けた。

 米政府が中国の関与を指摘している、米企業などを狙ったサイバー攻撃の問題では「中国軍はいかなるハッカー行為も支援していない」と強調。目立った進展はなく平行線に終わった。

 会談では、米中両軍の防衛協力の拡大で一致した。ヘイゲル長官は、米海軍が主催する来年の環太平洋合同演習(リムパック)に中国を初めて招いたと述べた。ヘイゲル長官が来年訪中することも確認した。

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