スマートフォン、次なる革新は状況電算 〜検知器データ認識チップで加速

 スマートフォン業界では、消費者をあっと言わせるような新技術を提供し続けることが難しくなってきている。そのため、技術者らは現在、状況に応じた電算を可能にする革新的機能の開発に注力し始めた。

 アップルは、指触操作を可能にしたiOSプラットフォームのアイフォーン(iPhone)を2007年に世界発売し、スマートフォン時代の扉を開き、その後も、音声認識機能のシリ(Siri)に代表される新機能で革新を続けた。

 しかし、ロイター通信によると、先日発表された新型アイフォーンのアイフォーン5Sには、より強力なA7プロセッサーと指紋認識機能以外に新機能はなく、これまでの新型より市場に対する訴求力が弱く、アップル株価はその期待はずれ感から大幅に下がった。

 ただ、新型アイフォーンには、M7と呼ばれる別のチップも搭載されている。M7は、主要プロセッサーであるA7に負荷をかけることなく、検知器からの情報を処理するため、検知器が集めるデータを使った新しいアプリケーションを開発し易くする。

 そのため、小さいながらも、状況に応じた電算(contextual computing)に向けた重要な一歩という見方もある。

 状況電算は、機器に搭載されたカメラやマイクロフォンといった検知機能を使って、環境を常にリアルタイムで監視しつつ、データを継続的に統合および処理して適格に対応する機能と言える。

 高級スマートフォンではM7のようなチップを使う機種が増えており、サムスンもギャラクシー・ノート2やギャラクシーS4でアトメル(Atmel)のセンサー・プロセス・チップを使っている。

 多くのスマートフォンは、回転儀(姿勢制御装置)や気圧計、マイクロフォン、無線チップ、GPSチップから位置や進行方向、進行速度を得て、利用者が何をしているのか、どういう状態にあるのか、ある程度推測できるようになっている。

 アンドロイド系のスマートフォンでは、利用者の位置情報や習慣、交通状況、時間帯に応じて異なる対応を示唆する地図や道案内が提供されている。

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