スプリント、アイフォーン5Cを無料に 〜新規加入者向けの割引作戦で

 スプリント(Sprint)が打ち出した割引作戦と新型アイフォーン(iPhone)の発売によって、スプリント加入者が大幅に増えると予想する見方が浮上している。

 ソフトバンク傘下のスプリントは、ほかの携帯電話サービス事業社(キャリヤー)からスプリントに切り替えて、新たな電話番号をスプリントで取得して2年契約に加入する新規利用者に対し、電話機代100ドルの割引を適用する方針を8月末に打ち出している。

 コンピュータワールドによると、業界専門家らの一部はスプリントの同戦略に関し、2年契約の新規加入者に廉価版アイフォーン5C(16GB版)を無料提供するための作戦だったと指摘する。アイフォーンの新機種は20日に発売される予定。

 5色から選べるアイフォーン5Cは、機能をほとんど落とさずに筐体素材を樹脂にすることで低価格に設定された。その下位機種である16GB版のメーカー希望小売価格は、2年間のサービス加入契約する場合、99ドル。2年契約を結ぶ新規加入者に対する割引100ドルが適用されれば、16GB版アイフォーン5Cは無料となる。

 米携帯電話サービス業界でベライゾン・ワイヤレスとAT&Tに次ぐ業界3位のスプリントは、2強に大きく離され、4位のTモバイルUSも中小の地域キャリヤーを吸収して規模拡大を進めていることから、16GBのアイフォーン5Cを無料提供することで競合各社からの顧客奪取を狙うものとみられる。

 スプリントは、前機種のアイフォーン4を2年前に扱い始めて以来、新規加入者を増やしている。新規加入者のうち40%はアイフォーン利用者だ。

 業界専門家のジェフ・ケイガン氏はスプリントの販促について、ベライゾンとAT&Tが何らかの対抗策を打って出ることは確実であり、「本格的なキャリヤー戦争」が始まる、と予想する。

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