加州のAAA、車の情報保護法案を支持
- 2014年3月25日
- 米国ビジネス
カリフォルニア州議会でこのほど、自動車に集積するさまざまなデータの管理権は車の所有者にあると定めた法案が提出され、南カリフォルニアと北カリフォルニアの全米自動車協会(AAA)系自動車クラブが支持を表明した。
ロサンゼルス・タイムズによると、ビル・モニング州上院議員(民主)が提出した州法案SB994は車のオーナーが権利を有するデータとして、車の機械的な性能、位置情報、ドライバーの携帯電話やエンタテインメント・システムの使用状況などを対象にしている。
モニング氏は「われわれの車は急速に『動くコンピュータ』となりつつある。このテクノロジーは消費者にいくつかの重要な恩恵を与えてくれるが、誰がそのデータにアクセスできるかを消費者が決められることを定めた基本的な保護措置が必要」と、法案提出の理由を説明する。
この法案は、どんな情報が自動車メーカーに収集・送信されているかを消費者が知って理解し、車のオーナーやオーナーの指定した相手が全データにアクセスできることを保証し、車のサービスのために誰が情報を見られるかをオーナーが管理できるようにするのが目的。議会委員会の最初の公聴会は4月半ばに予定されている。
AAA系列の南カリフォルニア自動車クラブの幹部、アリス・ビスノ氏は「法案の要点は選択の権利。AAAを含む誰もがオーナーの許可なく情報にアクセスできないという決まりだ」と述べた。
これに対し大手自動車メーカーは、2つの自動車クラブは「大きな保険会社」であり、同法案は保険の売り上げ増につながる情報掌握を目的とする動きと見ている。自動車工業会(AAM)のミッチ・ベインウォル代表も「商業的優位性のためにドライバーのデータにアクセスし、50の提携組織と情報を共有しようとする危険な策略。SB994は、車と関連する情報の安全性を危険にさらし、ドライバーの安全やプライバシーのほか、全米道路交通安全委員会(NHTSA)が推進する自動車の接続性に対して受け入れ難い脅威をもたらす」と批判している。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年5月16日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
米国内都市圏の住宅所有者らは自然災害に要注意〜異常気象による損害危険の高い地域が明確に
-
2024年5月16日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ドライバーの過半数が「AVは怖い」~AAA調査
-
2024年5月13日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EVへの関心、ますます低下~消費者、メーカーの思惑に反し
-
インフルエンサーとブランドをつなぐプラットフォームで台頭 〜 ショップマイ、1850万ドルを調達
-
シンケイ・システムス、魚の活け締め技法を機械化 〜 完成に接近、鮮魚流通網に革新をもたらす可能性
-
ドキュサイン、インテリジェント契約管理サービスを発表 〜 電子署名ソリューション以外に事業を拡大
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に