米軍の比回帰で大筋合意 新協定、中国を念頭

 【共同】フィリピン政府によると、同国と米国の外務・国防当局者は11日、フィリピンへの米軍派遣拡大を図る新軍事協定案の主な条項で大筋合意した。10日からマニラで、8回目の協議が開かれていた。フィリピン政府は、アキノ大統領が今回の合意を再審査するとして、詳細は公表しなかった。

 新協定は米軍のアジア重視戦略の一環で、東西冷戦終結後に駐留軍を引き揚げたフィリピンへの回帰となる。南シナ海の領有権をめぐり中国と対立を深めるフィリピンは、米軍の存在感の増大を抑止力としたい意向だ。

 交渉筋によると、今回の合意は4月末のオバマ大統領のフィリピン訪問を控えて成果をアピールする狙いがある。ただフィリピンの上院議員の一部は、同国憲法が外国軍の駐留を禁じていることから「事実上、米軍の駐留を許し、憲法違反だ」と反発している。

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