ウイルス対策ソフトは死んだ〜シマンテックも方向転換
- 2014年5月7日
- 米国ビジネス
コンピュータ・ウイルス対策ソフト大手シマンテックはこのほど、ウイルスの侵入防止は不可能と認め、業務の軸足を「侵入の発見と被害の抑制」に移すことを明らかにした。
シマンテックのブランアン・ダイ上席副社長はウォールストリート・ジャーナルに対し、現在ウイルス対策ソフトで対応できているのはサイバー攻撃の45%に過ぎないと指摘しながら「ウイルス対策ソフトは死んだ。もう収益源にはなり得ない」と述べた。
同社は現在、ハッキング被害に遭った企業向けの対策チームを組織しており、6カ月以内には特定の脅威に関する情報サービスを始める計画で、依頼人はハッキングされたかどうかだけでなく、その原因も分かるようになるという。また、ネットワーク内に侵入した高度な不正ソフトの検索技術も開発している。
同様の動きは業界全体に広がっており、ネットワーク機器メーカーのジュニパー・ネットワークスは顧客企業に対し、ハッカーが重要情報と間違えるような偽データを自社ネットワーク内に置いておくよう指示しているほか、新興のシェイプ・セキュリティはハッカーが暗証番号やクレジットカード番号を盗むという前提で、情報が盗まれても使用を困難にする方法の開発に取り組んでいる。
またファイヤーアイは、ネットワークをスキャンして最初の防御線を突破した不正コードを見つける技術を開発しており、最近はデータ侵害後の対応技術を開発するマンディアントを10億ドルで買収した。
シマンテックは2四半期連続で売上高が減少し、8日に発表される2014年1〜3月期売上高は前年同期を5%以上下回る16万2000〜16万6000ドルとなる見通し。3月にはスティーブ・ベネット最高経営責任者(CEO)が解雇され、2年間に2回もCEOが辞任している。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ