ハーグ条約日本人に初適用 母と渡英の7歳、返還命令
- 2014年7月29日
- 世界のニュース
【共同】両親の離婚などにより国境を越えて連れ去られた子どもの取り扱いを定めたハーグ条約に基づき、英国の裁判所が、母親と渡英していた日本人の子ども(7)を、日本へ帰国させる返還命令を出していたことが29日、関係者への取材で分かった。外務省によると、日本人の子どもへの適用が明らかになったのは、4月に日本が条約に正式加盟して以降初めて。
父親側の弁護士によると、返還命令が出たのは東京都に住んでいた日本人の夫婦の子。夫婦は昨年から別居し、母親が今年3月末、仕事の都合で渡英した際に子どもを連れて行った。父親は4週間の期限での滞在を承諾。母親は渡英後に離婚調停を申し立てた。
しかし、予定を過ぎても帰国しなかったため、父親側が5月、ハーグ条約に基づき英国の政府機関に援助を申請。裁判所が今月22日、「母親が子どもを滞在させ続けていることは条約上、違法だった」と判断し、30日までに親族の付き添いで子どもを帰国させるよう命じた。今後は、日本の家裁で、どちらの親が監護権を持つかなどを決める審判が進められるとみられる。
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