IBMとエアーライト、2000倍の集光器を開発 〜 エネルギー変換率は80%

 IBMリサーチとスイスのエアーライト・エネルギー(Airlight Energy)は、太陽光の放射を2000倍に高め、同時に浄水と空調を提供する新しい集光器(パラボラ・アンテナ)を発表した。

 コンピュータワールドによると、両社が共同開発した集光器は、水冷式のソーラー・チップを使用して、太陽光エネルギーの80%を利用可能なエネルギーに変換できる。

 集光器は高さ33フィートで、晴れた日には12キロワットの電力と20キロワットの熱を生成する。スイスのIBMリサーチで同事業の主任を務めるブルーノ・ミシェル氏によると、そのエネルギーは、平均的な住宅数軒分の電力と熱に相当する。

 集光器に取り付けられた鏡が太陽光をチップ上に集めることによって発電する。通常であればチップの温度が摂氏1500度に達して発火するが、IBMの研究者は、スーパーコンピュータの技術を応用した水冷システムを用いることで、105度に抑えるのに成功した。

 ソーラー・チップと鏡、それに電力を受ける端子は大型で透明の樹脂箱に収められており、雨やひょうの被害を受けない設計。

 IBMとエアーライト・エネルギーは現在、同技術を試験運用しており、2017年までに販売したい考えだ。

 エアーライト・エネルギーのイラリア・ベッソーニ事業開発責任者は、特に都市部や、逆に都市部から離れた遠隔地での利用に適していると説明している。

 集光器は約10トン、直径47ヤードのため、屋上での設置には向かないが、ショッピング・モールやホテルといった大型の商業施設で利用できる。

 「ショッピング・モールであれば駐車場に大きな日陰を作ることもできるため、二つの利点がある」「観光地の島など、エネルギー・コストが高い遠隔地に理想的だ」とミシェル氏は話す。

 一般的には、集光器は1970年代から開発されおり、その大半はレンズや凹型の鏡を使用して太陽光を集める。平面のソーラー・パネルは変換率が15〜20%だが、集光器を使えば放射を約500倍に高めることができる。IBMとエアーライトのシステムは2000倍で、その変換率は80%に到達する。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
STS Career

注目の記事

  1. 2025年12月1日

    就職&雇用ガイド2025
    監修 STS Career https://usfl.com/author/stscar...
  2. 2025年10月8日

    美しく生きる
    菊の花 ノートルダム清心学園元理事長である渡辺和子さんの言葉に、「どんな場所でも、美しく生...
  3. 2025年10月6日

    Japanese Sake
    日本の「伝統的酒造り」とは 2024年12月、ユネスコ政府間委員会第19回会合で、日...
  4. アメリカの医療・保険制度 アメリカの医療・保険制度は日本と大きく異なり、制度...
  5. 2025年6月4日

    ユーチューバー
    飛行機から見下ろしたテムズ川 誰でもギルティプレジャーがあるだろう。何か難しいこと、面倒なこ...
  6.        ジャズとグルメの町 ニューオーリンズ ルイジアナ州 ...
  7. 環境編 子どもが生きいきと暮らす海外生活のために 両親の海外駐在に伴って日本...
  8. 2025年2月8日

    旅先の美術館
    Norton Museum of Art / West Palm Beach フロリダはウエ...
ページ上部へ戻る