製造現場で進むスマート化のMESAモデル 〜 IIoTを活用し、ERPやWMSを統合
- 2015年4月27日
- ハイテク情報
サヴィジェント・ソフトウェア(Savigent Software)のジミー・アッシャー製品戦略部長は、製造実行システム(MES=manufacturing execution system)/ 製造オペレーション管理(MOM=manufacturing operations management)を超えるスマート製造の実現には、敏しょう性と応答性、デジタル工場、そして各種工程を最適化する知識労働者が必要となる、と指摘した。
オートメーション・ワールド誌に掲載されたアッシャー氏の寄稿記事によると、米国のMES推進団体であるMESAインターナショナル(Manufacturing Enterprise Solutions Association International)は、MES/MOM定義について豊富な情報を提供しており、その一つがMESAモデルと呼ばれる。
その導入方法はさまざまだが、それらのシステムには一般的に、製品追跡、資源分配と状況、性能分析といった機能が含まれる。
MES/MOMシステムの包括的目的は、生産性の向上と、注文品を生産するまでの周期の短縮だ。
スマート製造は、産業向けモノのインターネット(IIoT=Industrial Internet of Things)やインダストリー4.0(Industry 4.0)、モデル基盤エンタープライズ(Model-Based Enterprise)という用語と同義で使われる。表現は何であれ、いずれも敏しょう性と応答性、デジタル工場、そして知識労働者という三つの主要要素を持つ。
敏しょう性と応答性とは、市場変化を見越した製造を意味する。製品の市場投入までの時間短縮や、供給網全体を理解し因果関係を見極めることが挙げられる。
デジタル工場とは、技術とITシステムを具現化したもので、工場内だけの自動化システムの接続を超え、ERP(enterprise resource planning)やWMS(warehouse management system)といったそのほかの法人向け基盤電算システムに格納された情報と接続される。クラウド・システムや工場以外のシステムへの接続といった概念も含まれる。
知識労働者は、製造業者が新技術を迅速に学んで取り入れ活用するための要となるもので、設計技師やデータ科学者のように、意思決定能力を備えた労働者を指す。デジタル工場から提供されるデータを活用し、敏しょう性と応答性を支援するのが知識労働者の役割だ。
スマート製造の概念は製造業者の規模に関係なく普及が始まっている。MES/MOMシステムに置き換わるのではなく、各種製造工程を最適化するための自然な延長と位置付けられる。
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