アマゾンとグーグル、家庭向けサービス市場に 〜 本業との連携で商機を模索
- 2015年4月27日
- ハイテク情報
インターネット大手は現在、一昔前までオンライン・サービスとはほぼ無縁だったホーム・サービス市場の開拓に注力している。
ホーム・サービスには、たとえば、台所や浴室の排水管修理、電気工事、壁の貼り替えや塗装、掃除、家事、冷暖房機器の交換や修繕、犬の散歩が含まれ、これまでは各地域の電話帳や地域密着型情報サイトの市場だった。
地域内のホーム・サービス業者と消費者をつなげるウェブサイトは近年にいくつか登場したが、最近そこにアマゾン(Amazon)とグーグル(Google)という巨大なインターネット企業が参入しつつある。
米国内各都市のホーム・サービス業者を約20年前から評価している会員制情報サイト大手アンジーズ・リスト(Angie’s List)は、ホーム・サービス市場規模を年間4000億ドルと推定している。
ニューヨーク・タイムズによると、同市場では、サムタック(Thumbtack)やプロ・ドット・コム(Pro.com)、ポーチ(Porch)、レッドビーコン(Redbeacon)といった新興企業が、さまざまのサービス業者と消費者を効率良くつなごうと事業を展開し、必要なサービスを入札方式で提供するオンライン取引市場(いちば)を開設しているが、全体的には非常に断片化された市場(しじょう)で、効率や透明度もまだ低い。
アンジーズ・リストでは、スナップフィックス(SnapFix)というモバイル・アプリケーションを2014年に発表し、家のなかの壊れた場所を写真に撮って掲載すると業者の入札を受けられるシステムを提供している。
グーグル・キャピタルは2014年夏に、サムタックに1億ドルを投資したが、現在ではグーグルみずからが同市場に参入しようとしている。モノやサービスを探す際、消費者の大部分はグーグルでまず検索するため、グーグルにとっては大きな商機を開拓できる可能性がある。
一方、アマゾンはプロ・ドット・コムに投資し、また、別のホーム・サービス業者タスクラビット(TaskRabbit)と提携しているが、アマゾン・ホーム・サービシズ(Amazon Home Services)を3月に立ち上げ、みずからが乗り出した。
アマゾンは、消費者と業者の契約が成立した場合に、料金の20%を仲介料として業者に請求する。仲介料の割合は取引額によって異なる。平面テレビの接続と取り付けの場合、アマゾンが業者に請求する仲介料は料金の20%だ。
アマゾンは、700種類以上のサービスに対応する2400万件の申し込みを業者からすでに受け取っている。
アマゾンでは、自社の小売サイトで商品検索の結果を表示する際に、関連したホーム・サービス情報も表示することでアマゾン・ホーム・サービシズ事業の商機拡大を図っている。
たとえば、蛇口やシャワー・ヘッドの検索結果には配管業者情報が表示され、利用者がそれをクリックすると業者と料金の表が示され、業者を選択すると時間帯の選択肢が表示される。
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