英国民投票で欧州連合(EU)離脱派が過半数を獲得したことに米国は大きな衝撃を受けている。英国との関係を主軸に、テロや難民問題への対処で欧州との連携を進めてきたオバマ政権は、戦略の再構築を迫られることになりそうだ。
オバマ大統領は4月の訪英時にEU残留への支持を表明。離脱した場合、自由貿易協定(FTA)に関して英国との個別交渉より欧州との交渉を優先する考えを示し、「英国は行列の後ろで順番待ちをすることになる」と警告まがいの発言で離脱派をけん制した。
第2次大戦と冷戦を共に戦った英米両国は「特別な関係」にあるとされ、米国は同盟国・英国を通じて欧州で影響力を行使してきた。英国のEU離脱は経済的な影響にとどまらず、欧州での米国の足場をぐらつかせる可能性をはらんでいる。(共同)
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