コーチ、百貨店への卸販売中止〜値引きによるイメージ低下懸念

 バッグなどの革製品で知られるファッション・ブランド大手コーチ(Coach)は、値引きで高級イメージが損なわれることなどを懸念して、北米の百貨店約250店への卸販売を停止する。
 
 フォーチュン誌によると、今期(2017年6月期)中には現在取り引きする北米約1000店のうち約25%から商品を引き揚げる予定。ビクター・ルイス最高経営責任者(CEO)は「百貨店を通してさまざまなブランドを試す客がいることは理解しているが、安売りの度が過ぎて長期的なブランド・イメージに悪影響を及ぼしている」と説明する。
 
 また、百貨店がコーチのバッグを大幅に値引きすれば、同じようなバッグをより高い値段で販売している同社直営店やウェブサイトに客が集まらなくなるという問題もある。
 
 コーチやマイケル・コース(Michael Kors)といったブランドは、多くの消費者にぜいたくな印象や憧れを持たれつつグッチやプラダほど高くないという好位置にいるが、過剰な配給や値引きでブランドの価値を下げないよう注意する必要がある。最近はケイト・スペード(Kate Spade)の業績が予想を下回り、ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)は人員や店舗を大幅に削減するなど競合ブランドの不振が見られるが、コーチの業績は堅調で、4〜6月期の売上高は前年同期比15%増加、株価も過去1年間に31%上昇している。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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