中東の銀行情報標的 ホテルのカードキーも悪用

 【共同】米司法省が摘発したサイバー犯罪組織による世界規模の現金窃盗事件で、ハッキングの標的となったのは中東のアラブ首長国連邦(UAE)とオマーンの銀行が発行した「デビットカード」のデータだった。デビットカードはクレジットカードより決済期間が短いカード。処理システムのネットワークに侵入してこれらのカードのセキュリティー情報を書き換えた上、引き出し限度額も無効化する手口だ。

 AP通信によると、犯行グループはホテルのカードキーや、使用期限が切れたクレジットカードなどに、乗っ取ったデビットカードの情報を読み込ませ、世界各地の現金自動預払機(ATM)から一斉に現金を引き出した。ICチップ内蔵のカードは不正使用が難しいとされるが、米銀行などでは現在も磁気ストライプ方式のカードが主流だ。

 同種の犯罪では過去最悪規模の被害となったが、一方で、起訴された被告の1人が、引き出した現金で次第にリュックサックがふくらんでいく様子を複数の監視カメラに撮影されるなど、稚拙な一面ものぞかせた。

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