アップルとサムスン、次世代チップで契約 〜まだ見ぬアイフォーン7向け

 アップル(Apple)とサムスン(Samsung)は、特許訴訟をめぐって情け容赦のない係争を世界中で展開し、スマートフォン市場の覇権争いで激しく闘っているにもかかわらず、アイフォーン(iPhone)7用のアップルA9プロセッサーについて契約を結んだ。

 アップルがアイフォーン製品に搭載しているプロセッサーは、アップルのブランド名を冠しているが、開発と生産を担当しているのはサムスン。

 アイフォーンの現行機種はアイフォーン5で、噂されている5Sも6もまだ存在しないが、韓国のエコノミック・デイリー紙によると、2〜3年後に発表されることになるアイフォーン7向け新型チップの供給に関し、両社がすでに合意したもよう。

 次世代プロセッサーとなるA9では、14ナノメートル技術に基づくチップの搭載が必須であり、同技術を用いた高位プロセッサーの開発と生産において、質的にも量的にもアップルの要望に対応できるのはサムスンだけであるため、関係悪化のなかでも合意せざるを得なかったと言える。

 その背景には、スマートフォン市場において両社は最大の競合社同士でありながらも、アップルはサムスンの技術力と生産力に依存せざるを得ず、サムスンもまた、アップルへの供給が利益のかなりの部分を占めることから、取り引きを打ち切れないという相互依存の関係がある。

 アップルは先日、サムスン依存から抜け出すためにTSMC(Taiwan Semiconductor)と契約したばかりだが、TSMCは、14ナノメートルのプロセッサーを近い将来に大量生産できる技術力と生産力をまだ持っていない。

 現行の最先端は20ナノメートルであり、20ナノメートル技術に基づくTSMC製プロセッサーをアップルが調達することはほぼ確実だとみられる。

 アップルとサムスンによる今回の契約の内容は明らかにされていない。

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