政府は車車間通信義務付けを〜バス事故受け運輸安全委が勧告

 運輸安全委員会(NTSB)はこのほど、連邦政府に対し、乗用車やトラックが互いに通信できる安全技術の基準を策定するとともに、新車への導入義務付けを検討するよう勧告した。2012年にニュージャージーとフロリダの両州で起きたバス衝突事故の調査を終えた当局が、新規制の必要を認めた。

 AP通信によると、車車間通信技術を備えた車両同士が接近すると、無線通信網によって現在地や進行方向、速度といった情報を1秒間に10回の高速で交換できる。互いの車載コンピュータが受信情報を分析し、危険が予知されると、多くの場合ドライバーが相手を肉眼でとらえる前に警告が発せられる。

 通信技術は約1000フィート以内で効果が認められ、運輸省道路交通安全局(NHTSA)は過去1年にわたり、ミシガン州アナーバーで路上での実用実験を行っている。NHTSAは近く、車車間通信の基準作りに入るか、実験を年末まで続行するかの結論を出す予定。

 一方、自動車工業会(AAM)のグロリア・ベルグクエスト副会長は「技術はまだ試験段階であり、義務付けを求めるのは早い」との見方を示した。

 国内では02年から11年までに、交差点での交通事故で約8万7000人が死亡した。ニュージャージー州チェスターフィールドでは12年2月、交差点でダンプカーと衝突したスクールバスが鉄柱に激突し、11歳の女児が死亡、児童5人が重傷を負った。翌月にはフロリダ州ポートセントルーシーでトレイラーとスクールバスが衝突し、バスの児童1人が死亡、4人が重傷を負った。

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