ネクサス7、日本でアイパッドに勝利? 〜グーグル、怪しい統計をもとに発表

 グーグル(Google)は、日本市場において同社のタブレット「ネクサス7(Nexus 7)」がアップル(Apple)のアイパッド(iPad)より売れているという不十分な統計を大々的に公表したことが発覚した。

 アップル・インサイダー誌によると、グーグルが用いた統計は、アップルの直営店で販売されたアイパッドと、日本国内の無線通信サービス事業社(キャリヤー)の大手2社経由で売られたアイパッドの販売台数が反映されていない数値だった。

 グーグルのサンダー・ピチャイ氏は、その統計数値を根拠に、日本市場ではネクサス7がアイパッドを圧倒して最も人気のあるタブレットになったと発表。しかし、後に、日本の調査会社BCNが発表したその数値には、二つのアップル直営店に加え、ソフトバンクとKDDIが販売したアイパッドの数が含まれていなかったことが判明。

 さらに、BCNの統計には、アップルのオンライン販売によって売られたアイパッドの台数も含まれていない可能性が高いと指摘される。しかも、BCNの調査結果は、約2400の小売販路を対象にしただけで、「調査」というほどのものではなく、日本国内におけるタブレット流通網のわずかに16%しか対象にされていないため、実態をどれほど反映しているのか非常に疑わしいと指摘される。

 調査会社大手のIDCは同件について、BCNの調査結果に疑問があるにもかかわらず、グーグルがそれだけを根拠にして軽率な発表をしたことに関し「不思議な思い」と述べた。

 IDCの調べでは、2012年第4四半期にアップルは日本市場で77万3000台のアイパッドを販売し、グーグルは35万台のネクサス7を販売したと見積もられる。

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