景観保全か、遊休地利用か 自治体の足並みに乱れ 富士山麓でメガソーラー

 【共同】世界文化遺産の富士山の麓で、大規模太陽光発電所(メガソーラー)設置を目指す動きが出ている。広大で、なだらかな斜面が広がるなどの好条件がそろうためだ。麓の自治体には設置を希望する建築業者などからの問い合わせが相次ぐが、景観を守る観点から待ったをかける自治体と、遊休地の利用を促進したい自治体の足並みの乱れも出ている。

 大手電力会社に再生可能エネルギーの買い取りを義務付ける「固定価格買い取り制度」が昨年7月に始まって以降、富士山麓の静岡、山梨両県の10市町村には230件以上の問い合わせがある。うち約7割の170件が牧草地の広がる朝霧高原がある静岡県富士宮市に集中する。中には建設候補地として具体的な地名を挙げる業者もあるという。

 買い取り制度の導入に伴い、自治体の許可がなくてもメガソーラーを設置できるようになったのが背景。富士山周辺の景観や眺望を保護するため、富士宮市は昨年9月、市の面積の約75%に当たる約290平方キロメートルをメガソーラーの設置を抑止する地域に設定した。

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