柔軟型OLED、市場開花は2016年 〜米調査会社IHIが予想を発表

 有機発光ダイオード(OLED)の開発が急速に進む一方で、柔軟型(曲面を可能にする)OLEDが市場に本格投入されるのは2016年になる見込みだ。調査会社IHIが報告した。

 ギガOM誌が報じたIHIの調査結果によると、柔軟型OLEDの世界販売高は、2013年の2190万ドルから2014年には9480万ドルに成長し、その後に加速的に普及して2020年には120億ドル規模に達すると予想される。

 OLEDは薄膜状のディスプレイで、液晶やイーインク(e-ink)の競合製品として台頭しつつある。OLEDは、コンピュータ用モニターや小型テレビ、携帯電話機のディスプレイにすでに採用されており、今後は、曲面画面や大型画面への応用が進む見込み。

 現在、スマートフォン分野では、モトローラ(Motorola)が最新機種のモト・エックス(Moto X)に搭載し、サムスン(Samsung)もギャラクシー(Galaxy)S4に採用、また、ノキア(Nokia)もルミア(Lumia)1020にOLEDを使っている。

 サムスンが4日に発表した大手初のスマート腕時計ギャラクシー・ギア(Gear)では、柔軟型OLEDが搭載されると期待されたものの、従来の平面型OLEDディスプレイが採用されたため、消費者IT報道界の一部を失望させた。

 ただ、IHIは、柔軟型OLEDの生産コストが高いことを理由に、広範囲における採用には現時点では限界があると指摘した。2013年末までにはいくつかの新製品が柔軟型OLEDを搭載して発表される見込みだ。

 2012年あたりから限定的に登場したOLEDディスプレイは現在、平面型の第一世代にあると言え、今後、曲面型の第二世代に移行する。自由に折り曲げられるOLEDディスプレイを搭載した電子機器が本格的に市場投入されるのは2016年になってから、というのがIHIの予想だ。

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