フォード、新販売責任者を指名〜トヨタの追撃かわせるか

 フォードは17日までに、新しい米国の市場戦略・販売担当副社長にジョン・フェリス氏(51)を充てる人事を発表した。現職のケン・チューベイ氏(64)が11月1日付けで引退するのに伴う異動で、トヨタ自動車の追撃をかわす重要な役目を担う。

 ブルームバーグ・ニュースによると、フェリス氏は業界43年のベテランで、1983年に同社を離れた後、2008年に復帰し、現在はフォード、リンカーン両部門の販売責任者を務める。このほか、欧州の最高執行責任者(COO)には同地域の製品開発責任者であるバーブ・サマルジック氏が昇格する。

 フォードは現在、ピックアップ・トラックの「Fシリーズ」や中型セダン「フュージョン」の新型、スポーツ多目的車(SUV)「エスケイプ」の高い人気を追い風に、米市場では業界で最も大きくシェアを伸ばしている。しかし、過去2カ月は月間販売台数をトヨタに抜かれており、今後投入される新型車の売れ行きが注目される。

 フォードの8月の国内シェアは16%で、前年同月の15.6%から伸びた。トヨタはほぼ横ばいの14.4%だが、米新車販売台数では7月に314台、8月は1万1000台以上の差でフォードを上回った。

 米国トヨタ自動車販売のボブ・カーター上級副社長は、今月初めにデトロイトで開かれた業界会合で、米市場のベストセラー乗用車「カムリ」の首位は守ると明言した。調査会社オートデータによると、トヨタは年初から8月までに購入インセンティブ(販売奨励金)を1.8%減らした一方、車両価格の値下げ幅を18%まで高めている。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る