「初の応用」に疑問の声 iPS細胞で心臓治療

 【共同】体を構成するさまざまな細胞になりうる人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った初めての臨床応用を行ったとするハーバード大客員講師、森口尚史氏の説明に対し、国内の研究者からは11日、信ぴょう性に疑問の声が上がった。

 森口氏はロックフェラー大で開かれているトランスレーショナル幹細胞学会で治療の成果を同日までに発表した。

 文部科学省などによるプロジェクトでiPS細胞を使った重症心不全の治療を研究している大阪大の澤芳樹教授は「今回の研究はiPS細胞を名乗るが、(基になったとされる)肝臓の前駆細胞は、心筋にも分化しうる間葉系幹細胞。移植をしても(心筋への分化は)起こり得る」と疑問を投げかける。患者の回復も、その前に行ったバイパス手術の効果だった可能性があると見る。

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