世界でワインが不足〜年に約3億ケース、さらに悪化へ

 世界中でワインの供給量が需要に追いつかず、不足は今後さらに悪化するとの見通しをモルガン・スタンレー・リサーチが発表した。

 CNNによると、現在はワイン製造業者約100万社が年に28億ケース(1ケースは12本)を生産しているが、約3億ケース不足している。12年はフランスやアルゼンチンの悪天候などを受けて生産量が5%以上減り、1960年代以降で最低水準に落ち込んだ。世界生産量の半分を占める欧州では10%も減少した。一方で12年の世界消費量は1%増加した。

 最も消費量が多いのはフランス、次いで米国で、3位は中国。特に中国では経済成長や生活水準の向上でワイン需要が高騰しており、国内生産量も増えている。

 米国は世界の消費の12%を占め、12年は生産量が2%増加したが、世界の生産量構成比は8%にとどまっている。国内のワイン醸造所数は過去15年間で激増しているものの、ほとんどが零細業者で供給量の大幅な伸びにはつながっていない。

 世界でも生産が近いうちに急増する見込みはほとんどない。モルガン・スタンレーによると、米国、アルゼンチン、中国、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカといった後発のワイン生産国でも生産量はすでにピークに達している。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る