うつ病が世界で増加〜成人を悩ます病気の1つに

 うつ病が世界的に増えており、労働年齢の成人を最も悩ます健康障害の1つになっているという研究論文が、オンライン医学誌プロス・メディスンに掲載された。

 ロサンゼルス・タイムズによると、うつ病は現在、人々を長期にわたって悩ます健康障害として、下部気道感染症に次いで第2位となっている。うつ病の発症率が最も高い国はアフガニスタン、最も低いのは日本で、中米および中央/東南アジアでは健康障害の最大原因となっている。

 世界全体の発症率は4.4%。性別では女性が5.5%と男性の3.2%を上回っている。同論文を発表した豪クイーンズランド大学のアリズ・フェラーリ氏は「この研究は、公衆衛生の優先課題としてうつ病の治療が重要であり、拡大する問題を緩和するためにコスト効率の良い対策が必要であることを裏付けている」と指摘した。

 悲しみや絶望感がほぼ1日中あり、それが2週間以上続くとうつ病と診断され、自殺や虚血性心疾患のリスクが高まる。今回の研究は、うつ病よりやや軽い抑うつ状態が2年以上続く気分変調症(Dysthymia=ディスサイミア)に関しても調べた。

 気分変調症を含めたうつ病は、人口増や寿命の延長を受けて1990〜2010年に世界中で約38%も増えた。論文によると、これは特に生殖分野の保健、国民の栄養状態、児童感染症の管理が向上して寿命が延びている開発途上国で、うつ病が増える年齢まで長生きする人が増えたことを意味する。

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