コンテナ船の新規発注増える〜スケールメリット拡大へ

 世界でコンテナ船の輸送能力が過剰気味であるにもかかわらず、大型船舶の発注が増加している。専門家はこうした動きの背景として、規模が大きいほど生産性や経済効率が向上するという各社の思惑があると分析している。

 ニューヨーク・タイムズによると、業界団体ビムコの見通しでは、2013年のコンテナ船の輸送能力は前年比5.9%増となりそう。一方で解体処分される船舶の数は記録的水準に達する勢いだ。

 業界情報のアルファライナーは、「準大手のキャリヤー(輸送業者)は困難に直面している半面、引き続き能力の拡大を目指している」と指摘。大型船を保有する大手と同様、スケールメリットを確立することで営業コストを引き下げたい考えだ。

 アルファライナーによると、デンマークのマースク・ライン、スイスのMSC、仏CMA CGMの業界3大大手による船舶の新規発注量は、既存能力の15.6%である一方、続く18社の発注量は19.8%に上っている。

 キャリヤー17社のうち、第3四半期に営業利益を出したのは9社だが、リージョナル・コンテナ・ラインズの5.1%減からマースクの8.1%増まで、業績は各社によってばらつきがある。

 マースクには13年、韓国のDSMEが建造した1万8270TEU型(20フィートコンテナ換算)の大型コンテナ船5隻が納入された。今後1年半で姉妹船18隻が新造される計画だ。航行数が最も多いアジア〜北欧間では、13年上半期のコンテナ船の平均サイズは1万TEUだったという。

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