「キル・スイッチ」義務化法案に勢い 〜 スマートフォン強奪犯罪防止を狙う

 再販目的のスマートフォン強盗が増加するなか、ニューヨーク州のエリック・シュナイダーマン検事総長は、携帯電話に「キル・スイッチ(kill switch)」機能の搭載を義務づける法案の支持を表明した。

 CBSによると、セント・ルイスでは18ヵ月前に、車のなかで母親と携帯電話で話していた若い女性が銃で撃ち殺されスマートフォンを奪われるという残虐な事件が発生した。

 米国では2012年に160万人がスマートフォン関連犯罪の被害にあっており、強盗の40%はスマートフォンが絡んでいると言われる。

 スマートフォンは数百ドルで売却できるため、シュナイダーマン検事総長は「スマートフォンに価値がないと分かるようになるまで盗みはなくならない」と述べ、セント・ルイスの被害者遺族とともに、キル・スイッチ機能の搭載を呼びかけた。

 キル・スイッチは、スマートフォンを盗まれたり紛失した場合に、スマートフォンのなかのデータを消去してすべてを操作不能にする遠隔機能で、盗まれたスマートフォンを使えなくすることで機器の価値をなくし、盗む動機を根絶しようと狙うものだ。

 連邦議会でもキルスイッチ機能搭載義務化法案がすでに提出されている。

 ただ、米携帯電話サービス会社(キャリヤー)はそれに対し、「犯罪者やテロリストがその技術を悪用して、無線通信を遮断する危険性がある」と警告している。

 ニューヨークのウィリアム・ブラトン警察長官はキャリヤーの反論に対し、携帯機器盗難保険の販売という収入源がなくなることを恐れた態度だと非難した。

 キルスイッチ法案は、カリフォルニア州やイリノイ州でも検討されている。

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