大陪審、フェデックスを起訴〜違法薬物の配達で共謀

 サンフランシスコの連邦大陪審は17日、違法のオンライン薬局が発送した規制薬物を当局の再三の警告を無視して配送したとして、航空貨物大手フェデックス(本社テネシー州)を起訴した。

 ロイター通信によると、起訴事実は、共謀して規制薬物の配送した罪など15件。フェデックスは共謀で少なくとも8億2000万ドルの利益を得ているといい、最高でその倍額の罰金刑を受ける可能性がある。麻薬取締局(DEA)はこれまで、同社に何度も違法行為をやめるよう警告したという。

 フェデックスの3〜5月期売上高は118億ドル。パトリック・フィッツジェラルド取締役副社長は声明で、公判では無罪を主張すると述べた。また、検察は同社に1日数百万個の荷物の合法性の責任を負うよう求めているといい、「当社は運送会社であり、司法当局ではない」と反論した。

 起訴状によると、DEAは2004年以降、幹部を含むフェデックスの担当者に対し、オンライン薬局が処方薬の宅配で同社のサービスを利用していると6回以上警告した。ある時はフェデックスが、DEAがある薬局を強制的に閉鎖した事実を知りながら、系列薬局からの薬物の配送を続けた。同時に、社の規定や手続きもこうした行為を許す内容に改訂した。

 ケンタッキー、テネシー、バージニアの各州では、フェデックスの宅配トラック運転手が薬を待つ客の求めに応じて路上で車を止め、包みを手渡すこともあった。配送先には駐車場や空き家の所在地も含まれ、現地で受取人が待っていたという。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る