孫氏の次なる標的は欧州企業か 〜 Tモバイル買収断念で専門家ら憶測飛ばす

 スプリント(Sprint)がTモバイルUS(T-Mobile US)買収案を断念したことを受けて、ソフトバンクの孫正義社長の次なる動きが業界関係者のあいだで話題に上っている。

 ソフトバンクの投資先はすでに1300社以上におよんでおり、孫氏の次の標的が明らかになるのも時間の問題とみられる。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、SMBC日興証券の菊池悟氏は、孫氏が2014年内、早ければ1ヵ月以内に新しい投資策を発表する可能性があると予想する。

 菊池氏は、ソフトバンクの投資分野の一つとしてデジタル・コンテントを挙げる。ガンホー・エンターテインメント(GungHo Entertainment)の過半数株主でもあるソフトバンクはゲーム分野で強いが、ニュースや情報、映画といったメディアを追加することによって恩恵を得られる可能性がある。

 マコーリー証券(Macquarie Securities)のネイサン・ラムラー氏も、ソフトバンクが最近、グーグル(Google)からインターネットおよびメディア事業幹部を引き抜いたことを挙げ、コンテント事業強化の可能性を指摘する。

 一方で、孫氏の標的は今後、米国の通信会社から欧州企業に移るという見方もある。

 技術調査会社カウンターポイント(Counterpoint)のニール・シャー氏は欧州の主要モバイル市場について、その大半は米国や日本市場と比べてキャリヤー(通信サービス会社)の競争が激しく加入者一人あたり平均売り上げ(ARPU)も低いと断ったうえで、ARPUが高い一部の市場のキャリヤーがソフトバンクの買収対象になりえると分析する。

 シャー氏はさらに、Tモバイル買収断念を「不幸中の幸い」だったかもしれないと話す。ソフトバンクは、Tモバイル買収額とみられた約320億ドルの前払い金支払いを免れたほか、買収後には膨大な通信網統合費用が発生する可能性があったためだ。

 ただ、Tモバイル買収断念によって、ソフトバンクの世界的成長という野心は大きく失速した。今後もグループとして成長を続けるには、欧州をはじめ米国以外の市場に目を向ける必要がある、と指摘する専門家たちは多い。

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