孫社長、単独で競争をしかける姿勢 〜 ドイツ・テレコムは別の買収案を待つ

 ソフトバンクの孫正義社長は8日、米携帯電話サービス業界4位のTモバイルUSを買収する計画を断念したと報じられた翌日、ソフトバンク傘下の米携帯電話サービス業界3位スプリントが今後は単独で競争に立ち向かっていく姿勢を示した。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、4大キャリヤー体制の米携帯電話サービス市場では、スプリントとTモバイルがベライゾンとAT&Tの2強から大きく引き離されている勢力図になっており、3位と4位を合併することで第三勢力を誕生させることが、より良い市場競争を生むという考えに変わりはない、と孫社長は強調した。

 しかし、4大手が3大手に減ることは消費者への選択肢を減らすことになる、という米司法省独占禁止法局と連邦通信委員会(FCC)の考えを覆すことは無理だという判断のもと、孫氏は断念せざるを得なかった。

 一方、Tモバイルの親会社ドイツ・テレコムは、フランスの新興キャリヤーであるイリヤッドが持ちかけてきたTモバイル買収案を拒否したことを8日に発表した。

 イリヤッドは、スプリントによるTモバイル買収提示額約320億ドルの半分以下の約150億ドルでの買収案を先日提示した。

 ドイツ・テレコムのティモシアス・ホーティジェス最高経営責任者(CEO)は、イリヤッドの提示額が低すぎるという理由で検討する余地もないという考えを示したと同時に、Tモバイルを買収したいというほかの魅力的な提示を待つ姿勢を見せた。

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