楽天、加州のアプリ企業を買収〜米市場てこ入れ目指す

 日本のオンライン小売り大手、楽天はこのほど、ネット通販の解析アプリケーション開発業者スライス(Slice、カリフォルニア州)を買収した。買収額は未公表。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、パロアルト市に本社があるスライス(従業員約70人)は、同社アプリを使う小売りウェブサイト利用者のeメール受信箱にあるアマゾンやノードストロムなどの領収書を解析し、個人の購入歴をまとめ、注文品の出荷状況を知らせたり価格変動を監視して割引情報を提供したりする技術を提供している。

 楽天マーケティングの飯田恭久最高経営責任者(CEO)は、スライス買収について「米国での事業拡大を視野に入れている」と語った。楽天は4年以上前、バイ・コムを2億5000万ドルで買収したものの、米市場では存在感に乏しいのが現状。今後はアマゾンやネット競売大手イーベイのほか、中国の電子商取引最大手アリババ・グループとも競合することになる。

 スライスはこれまで、楽天やライトスピード・ベンチャー・パートナーズなどから計3200万ドルの資金を調達した。

 スライスのスコット・ブレイディCEOによると、消費者は同社アプリを無償で使え、同社は同社アプリを使って顧客データを入手するウェブサイトから手数料を取る。年内には海外進出第1弾として、楽天が日本で使うアプリを投入する予定だ。

 ブレイディ氏は、楽天が同社を買収したことでオンライン小売りの競合各社が動揺するとは考えていないと述べた。

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