スマートフォン・カメラで偽物製品を識別 〜 NECが物体指紋認証技術を開発

 NECは、スマートフォンに内蔵されているカメラで接写するだけで製品や部品の偽物を判明できる技術を開発した。将来的には、偽物製造業者を追跡することも可能になる見込み。

 コンピュータワールドによると、NECが開発した物体指紋認証技術(Object Fingerprint Authentication Technology)は、製造行程で自然につくられる表面模様をもとに本物か偽物かを識別する。

 それを可能にするには、本物の製品や部品をクラウド・システムにあらかじめ登録しておく必要がある。登録後は、クラウド電算環境に保存された登録製品の画像と接写画像とを比較して判別する仕組み。表面模様は肉眼では判別できない。

 NECは今回、立体印刷機で製造した接写レンズをスマートフォンに接続し、高級バッグのジッパーや金具部分を撮影し、クラウド経由で登録製品と照合する実演を行い、本物と偽物を識別した。

 同技術はタブレットに内蔵されたカメラにも対応する。

 一方、その精度に対する疑問も出ているが、NECによると、ソフトウェアの等価エラー率(EER=Equal Error Rate)は100万件に1件という誤差だ。EERは、生体認証技術の精度を表す数値で、低いほど精度が高いことを示す。

 同技術は、市販されている取り付け型接写レンズでも機能するが、NECが独自に提供する接写レンズで性能がさらに高まる、と同社は説明。NEC独自のレンズの価格は公表されていない。

 NECは、2015年度(3月締め)内の商品化を目指して提携企業を模索中だ。同社の物体指紋認証技術は、米国立標準技術研究所(NIST)の検査で最上級の結果を出している。

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