アフリカ妊婦12万人死亡も 国連、エボラ出血熱で医療弱体

 【共同】国連人口基金(UNFPA)は21日までに、エボラ出血熱の影響で多くの病院が機能不全に陥っている西アフリカのリベリアとシエラレオネ、ギニアの3カ国で今後1年間に産科ケアを受けられず12万人の妊婦が死亡する恐れがあるとの推計を明らかにした。

 3カ国はもともと医師の数も少なく医療体制は貧弱だったが、近年、国際支援などで改善が進み、適切な産科ケアの下での出産が増えていた。しかしエボラ出血熱流行で状況が悪化。UNFPAは、現地で女性が産科ケアを受ける機会は「極めて限られている」と指摘、国際社会に助産師確保などで緊急支援を呼び掛けている。

 3カ国では医療関係者もエボラ出血熱に感染し、地域医療体制が弱体化。妊婦が感染を疑われて病院から受け入れを拒まれたり、病院での感染を恐れて受診を控えたりするケースも多いという。同基金ではこのため3カ国で今後1年間に出産する妊婦80万人(推定)のうち、合併症などで最大12万人が死亡する可能性があるとしている。

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