歩くだけで時計や携帯を充電〜靴にかかる圧力を電気に変換

 人が歩く時に発生するエネルギーを発電に利用する研究が進められている。

 オイルプライス・コムによると、メキシコの先端材料研究センター(CIMAV)は、歩行の振動エネルギーを保存できる小型の幅広円筒(フラット・シリンダー)の開発に取り組み、蓄えたエネルギーで単4乾電池や腕時計の充電に成功している。

 シリンダーの試作品は直径が2インチ、厚さ約10分の1インチで、靴の中敷に装着して使える。これが、揺らす力や圧力、加速運動などを小さな電力に変える圧電体として機能し、歩くたびにシリンダーにかかる圧力がエネルギーに変換され、将来の使用に備えて錠剤型の装置に蓄えられる。

 研究チームの次の目標は、効率を高めて発電量を増やすこと。さらに、地下鉄のような公共交通機関の入口の敷物に技術を応用することを目指す。責任者のアベル・マシアス・ハルタド氏は「今は歩く人々が生み出すエネルギーが無駄になっている。それを電気に変える方法を見つけられれば地球に良い影響を与えられる」と話している。

 このほかにも、ハルタド氏がカーネギーメロン大学(ペンシルベニア州)に在籍中、デザインの授業で似たような装置を考案したマシュー・スタントン氏とハーナ・アレクサンダー氏は現在、ソールパワー(SolePower、同州)という企業を設立し、発電する靴の中敷を販売している。同社の装置は重さが5オンス以下で、携帯電話が充電できる。

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