発電用風車は猫や鉄塔より安全〜鳥への影響はごくわずかと研究者

 発電用の風力タービンの増加に伴い、これにぶつかって多くの鳥が死んでいると指摘されているが、猫に捕まって食べられたり鉄塔にぶつかって死ぬ数に比べればごくわずかだという調査結果を、米国地質調査所(USGS)と環境コンサルティング会社ウェスト(West、ワイオミング州)の科学者が発表した。

 USAトゥデイによると、風力タービンが原因で死亡する鳥の数は、北米で年間21万4000〜36万8000羽と推定される。これに対し、セルタワー(携帯電話の電波中継塔)などにぶつかって死ぬ数は680万羽、猫に食われる数は14億〜37億羽に上り、ウェストのワラス・エリクソン氏は「風力タービンが原因で死んでいるのは北米の小鳥の0.1%未満」と見ている。報告書は米科学誌プロスワンに掲載された。

 これらの数字は米国とカナダで行われた116件の調査データを基に割り出されており、死んだ鳥の63%は156種類の小鳥だったという。

 地球温暖化への対応として再生可能エネルギーの利用が進められる中、鳥の命をめぐって風力発電業界と環境保護団体が対立する例も増えている。米国ではハクトウワシを傷つけると罪に問われるが、オバマ政権は2013年12月、風力発電施設は例外という新しい連邦法を発表し、環境団体は強く反発した。

 とはいえ、風力発電は温室効果ガス(GHG)を出さないため、 環境団体の多くも「最終的には鳥に有利」と考えている。米国オーデュボン協会(NAS)は今年10月、「米国では気候変動が原因でハクトウワシや州鳥8種類を含む数百種の鳥が深刻なリスクに直面しており、中には95%以上減ると予想される種もある」と発表した。

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