シマンテック、高性能のマルウェアを発見 〜 米英政府の諜報活動の一環か

 コンピュータ・セキュリティー技術大手のシマンテック(Symantec)は24日、新たなマルウェアを発見したことを明らかにした。発見されたマルウェアは非常に精巧に設計されており、世界各国の企業や政府機関、公益会社にスパイ活動目的で密かにばらまかれていたもよう。

 ニューヨーク・タイムズによると、「レイン(Reign)」と名付けられた同マルウェアはシマンテックに最初に発見されたあと、米国家安全保障局(NSA)と英政府通信本部(Government Communications Headquarters)による10年来の共同作戦の一環として使われていたものだと、デジタル雑誌「ザ・インターセプト(The Intercept)」によって報じられた。

 同誌に掲載された記事は、NSAの元職員でロシアに亡命したエドワード・スノーデン氏の証言にもとづいている。

 シマンテックの報告によると、レインは2008年からサウジアラビアやロシア、パキスタン、アフガニスタン、インド、メキシコ、アイルランド、ベルギー、オーストラリアといった国々で使われたとみられる。

 ベルギーの電話会社大手ベルガコム(Belgacom)も標的となっており、調べによると、ベルガコムのサーバーが同マルウェアに感染したのは2010年とみられる。

 レインは2011年にいったん消えたものの、2013年に新型が突然登場した。新型レインの標的対象は、学術研究者から新興企業、航空会社、エネルギー会社と広範囲にわたる。

 レインを調べた研究者らによると、同プログラムは自由自在にカスタマイズでき、新しい機能を簡単に追加できるという特徴がある。

 レインでは攻撃の度合いが5段階に分かれており、各段階ごとにプログラムが暗号化されているため、5段階すべての攻撃を調べなければ攻撃の全容や度合いを判明させることができない。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 日本では、何においても横並びが良しとされる。小学校への進学時の年齢は決まっているし、学校を...
  2. Water lily 今年は年頭から気にかかっている心配事があった。私は小心なうえに、何事も...
  3. 峡谷に位置するヴァウリアル滝の、春から夏にかけて豪快に水が流れ落ちる美しい光景は必見。島には約16...
  4. 2024年6月3日

    生成AI活用術
    2024年、生成AIのトレンドは? 2017年に発表された「Transformer」...
  5. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  6. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  7. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  8. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
ページ上部へ戻る