原発論戦盛り上がらず 首相回避、民主は曖昧

 【共同】14日投開票の衆院選で原発再稼働の是非をめぐる各党の論戦が盛り上がりを欠いている。安倍晋三首相(自民党総裁)は8日の街頭演説で引き続きエネルギー政策への言及を避けた。民主党は2030年代の原発ゼロ目標を掲げるものの、再稼働に関しては党内の賛否が分かれて曖昧だ。他の野党は、次世代の党を除いて脱原発を主張するが、世論のうねりを起こすには至っていない。

 首相は8日、静岡と愛知両県の7カ所で演説したが、原発問題には触れなかった。自民党公約は原子力規制委員会の基準に適合すれば再稼働を進めると明記。「原発は重要なベースロード電源との位置付けの下、活用する」とも盛り込んだ。首相が演説で言及しないのは「不人気な政策」(党幹部)との認識があるとみられる。

 民主党の海江田万里代表は6日の前橋市での演説で「私たちは2030年代の原発ゼロを目指す方針だ」と首相との違いを強調した。ただ、再稼働の是非には触れなかった。枝野幸男幹事長は8日、埼玉県朝霞市で原発政策の立場を記者団に問われ「公約の通りだ」と述べるにとどめた。

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