アマゾンにも分社化の波の可能性 〜 2015年は米技術大手の事業分離の年に
- 2014年12月22日
- ハイテク情報
2015年は、米技術業界大手の分社化や部門独立が相次ぐ年になるかもしれない。
ヒューレット・パッカード(HP)とイーベイ(eBay)は、株主からの圧力に加え、競争力向上と株価上昇を狙って事業部門を独立させる計画をすでに公表している。
前者は、サーバーとソフトウェア、そしてクラウド技術に特化した上場企業と、パソコンおよびプリンター事業を引き継ぐ上場企業の2社に分社化される。
後者では、オンライン競売事業の本体から、デジタル決済サービスとモバイル決済サービスのペイパル(PayPal)が独立する。
そのほか、エッジ・コンサルティング・グループによると、セキュリティー技術大手のシマンテック(Symantec)も、セキュリティー技術と情報管理技術の2社に分社化する計画だ。
エッジ・コンサルティング・グループはさらに、オンライン百貨店およびクラウド・サービスの最大手であるアマゾン(Amazon.com)と、データ・ストレージ技術大手のEMCが事業部門を独立させる可能性が高いという見方を示した。
インベスターズ・ビジネス・デイリーが報じたエッジ・コンサルティングの調べによると、ヘッジ・ファンド投資会社エリオット・マネージメントは10月に、EMC傘下のVMウェアをEMCから完全独立させるようEMC経営陣に要求している。
また、アマゾンについても、オンライン小売部門とアマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)を分離させる案が浮上しているもよう。
アマゾンの場合、オンライン小売部門は薄利多売の低利益率だが、AWSは、競争激化による価格競争が進行したと言っても小売部門よりはるかに高い利益率を確保していることから、分離してIPO(新規株式公開)することで高い格付けの上場企業になると期待される。
ただ、AWSが独立した場合、「セールスフォース(Salesforce.com)やVMウェアといったアイアース(IaaS=infrastructure-as-a-service)やパース(PaaS=platform-as-a-service)の大手に買収される標的企業になる可能性も出てくる」とエッジ・コンサルティングは指摘する。
エッジ・コンサルティングは、イーベイやシマンテックが部門分離を計画するまえにその予想を的中させている。
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